女子どうしの友情と比べると、男子どうしの友情は淡泊なものに見える。身体的接触は少なく、余程のことがなければ贈り物なんてしないし、電話で雑談なんてしないし、たとえ親友であったとしても、年に数回会えば十分だと感じていたりする。そして、友人について知っていることは、かなり限られている。

 『本と鍵の季節』はいわゆるミステリーだが、読んでいればなんとなく答えを察することのできる謎ばかり、「探偵」による解明もあっさりで、解き甲斐のある大きな謎が出てくるわけではない(ミステリー読者にとって解き甲斐のある謎というものがどういうものなのか、私にはわからないのだが……)。主題はむしろ、男子どうしの、一見淡泊なその友情にある。主人公は図書委員である二人の高校生男子だが、クラスの違う二人が図書室で会うのは週に一度。外で会うのは用事のある時や謎を解明するのに必要な時だけで、遊びに行ったというような描写はない。
 しかし、では、二人は仲が悪いのだろうか。男子たる私には、そうではないと言い切れる。むしろ、信頼し合い、友情を疑うべくもなくなって初めて、淡泊な付き合いをし続けられるようになるのだ。自分の知らない一面をまざまざと見せつけられようとも、友達であり続けられるようになるのだ、と二人の男子高校生の物語に、再認識させられた。

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