奥野宣之『情報は1冊のノートにまとめなさい』

内容
 主張はわかりやすい。あらゆる情報は、一冊のノートにまとめられるべきだというものである。デジタル関係の話はやや古いが、Evernote等、デジタル手帳がかなり使えるレベルになっている昨今、ある部分では、かつて以上に著者の主張は説得力を持つだろう。しかし同時に、ある部分では、デジタル手帳の進歩が、もっと良い情報管理方法を示しているようにも思う。もはや万人にそのまま使える内容ではなくなってしまっているかもしれないが、しかしノート類の使い方について思考を促すという意味で、良書である。

一冊にまとめられたノートは使える/使えない
 一冊にまとめられたノートは確かに、「必ずある」という点で有用である。ノートを使い分けると、どこに書けばいいのかわからない、分類できない情報が出てくる。これは『「超」整理法』にも通じる当然の話である。デジタル手帳類(Google keep、Evernote、Day One、Workflowyなど)を使えば、紙のノートと比べると何でも書ける(描ける)という点で劣るようにはなるが、検索性にも優れたデータベースとなる。

 しかし、問題もある。一冊のノートにすべてをまとめてしまうと、参照まで時間がかかるのだ。いくら検索可能性が高くとも、例えば一月後のToDoを検索して探すような時間は、明らかに無駄だ。

 やはり、最低限の使い分けは必要であるというのが、読者である私の結論である。例えば私は、よく参照する情報と、いつか参照する情報で、情報を大きく二つに分類している。この程度の分類でも、どちらに振るべきか悩ましい情報は生じてしまうのだが、一応なんとかやっていけている。

 例えば、よく参照する情報として、ToDoやスケジュールがあるが、これは、筆者はToDo管理アプリと月間手帳・デイリー手帳を用いて管理している。スケジュールにも種類があるが、確実に時間の決まっているものは手帳に書き込み、そうでないものはToDo管理アプリに入力して定期的にリマインドさせるようにしている。私はなるべくアナログで済ましたい人間なのだが、リマインド機能だけは、アナログにやろうとすると手間がかかり(例えば43Tabか?)、デジタルに頼っている。

 また、いつか参照する情報には、日記、アイデア、思考、本や映画や様々な出来事の感想などがある。筆者は、日記だけは日記帳に書いているが、その他の情報はすべて、最終的にはEvernoteにまとめている。アイデアや思考、感想などというものは書き留めていくと際限がなく、高い検索可能性がどうしても必要となるからだ。

一冊のノートをどう使うか
 しかし、一冊のノートにまとめるという主張は、やはり説得力がある。デジタルであれアナログであれ、何でも書ける一冊を持っておくことは、やはり意味があると思う。

 実際私も、トラベラーズノートのパスポートサイズ(B7)を「なんでもノート」とし、まさしく何でも、そこに書くことができるようにしている。そして、先に書いたように、よく参照する情報だと判断されればしかるべき場所に転記し、チェックマークをつける。いつか参照する情報も、入力するか写真に撮るかしてEvernoteに転記し、チェックマークをつける。そして、書いてはみたものの参照しないであろう情報はそのままにしておく。最終的にはほとんどすべての情報が転記されるわけで、では不要かというと、どこに書くか悩む時間を考えれば、やはりこのようなノートを持っておくことは、有用だろうGTDに「インボックス」という考え方があるが、一冊のノートは、この「インボックス」の役割にぴったりなのである。

 また、私はアナログの「なんでもノート」や手帳を使っているが、スマートフォンですべてを済ませることのできる時代でもある。物にこだわってしまうのは私の悪癖だが、究極的には、最も無駄を省いた形は、すべてをスマートフォンで済ませる、その環境を整えることかもしれない。

タグ:, , . カテゴリー:感想・批評・レビュー,その他書籍.
コメント:無し

« »