たとえば何かを落としてしまって
それがとても大切なものだったとしても
僕らは圧倒的な奔流に呑まれて
気づけばとても遠いところにいるでしょ?

泣きたいのなら泣けばいい
やがて季節はすぎていくし
たくさんの人が君を笑わせる
君が安心して笑えるように
みんなが君を支えてくれて

風が吹いたら夜空を見上げて
星はいつでも美しいけど
その日は特にきらきら光るよ
雨が降ったら外に出るんだ
いつか雨はやんでしまうし
早いうちに仲良くなっておいた方が良い

そしていつか
君は僕の知らない場所で
知らない誰かを好きになる
今はすこし寂しいけれど
それは幸せなことだから

だから今、僕らは静かに
闇に溶けて混ざり合って
互いの体が冷えていくのを
熱いコーヒーで飲み込んでしまって
泣くなとは言えないよ
僕もさすがに君の前では
泣きたくなってしまうのだから

ほら、カーテンをひらいて
東京だろうとロンドンだろうと朝日は美しいし
上海だろうとフィレンツェだろうと朝は騒がしい

カテゴリー:創作.
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