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偽物語
まだまだ化物語を引きずっているわけです。この『偽物語』は化物語の後日談という触れ込みの一冊。しかし、非常にテーマ性メッセージ性の高い一冊。

まず一つのテーマが正義とは何か、正義の敵はといった、『正義』。この物語中『正義』という言葉がくどいほどにでてくる。では主人公暦お兄ちゃんの次のセリフとそこから始まる彼の一連のセリフは実に胸に響いた。
“「だからさ、大雑把に言って――正義の敵は、別の正義だ」”

そしてもう一つ。題名の示すとおり、『偽』だ。
“「本物と、それとまったく同じ、区別もつかんような偽物と。どっちの方が価値があると思う?」”
物語も終盤、作者が意図したテーマを直接的に表明してしまったセリフ。
これは二択のようでいくつか回答を持つ質問だ。作中では3つの回答例が示される。これほど意見の割れる質問というのも珍しいかもしれない。どう答えるにしろそれには明確でわかりやすい理由があるし、また対抗意見のそれを否定するのが極めて難しいのだ。私自身どの回答の理由もはっきり理解できたし、反論することができなかった。「正解のない問題」ではなく「正解しかない問題」なのである。そしてそういった類の問題の方が圧倒的に自身の答えというものを持ちづらいものなのだと気づかされた。

しかしこの『化物語』『傷物語』『偽物語』一連の小説たちは、大人たちのセリフがいちいち深く考えさせられる。そして偽物語では、他二作ではまだまだ子どもだった阿良々木くんも大人に近づきつつあることを、その深く重くなったセリフから感じられ、妙に親近感がわいた。そういったものもまた、この作品に「憑かれ」てしまう要因なのかもしれない。

ラノベ的に読むと、言葉遊びは若干なりを潜めた感があるけれど、ものすごくえっちでした。暦お兄ちゃんやばすぎです。以上、アニメ化物語10話の恋愛サーキュレーションで萌えという感情とロリコンの気持ちを理解した朝霧でした!

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