“冬に咲く小さな花”

君が花の名を教えてくれたから
僕は世界の優しさに気づいた
冬に独りで咲く小さな花に
神さまは名前を与えたのだから
ほんの少し大きな二人のことも
祝福してくれるかな
君は照れくさそうに笑って
僕は君の手を握りなおす
君のその生まれたままの優しい笑顔が
世界で一番僕の心を突き動かすのに
君は自信をもてないままで
いつまでも独りで咲こうとしていた

僕はこの舞台の上で
いくらかの演技と適当な表情で
上手い具合に生きてきたのに
どうにか人混みをかきわけて
君の傍に行きたい
君の隣で生きていたい
君は照れくさそうに笑って
僕の隣でそっと頷く

ずっといっしょにいよう

残る雪を払いのけて
君の名前を指でなぞる
吹きつける冷たい風に
ふと君の影を見る

冬に咲く小さな花を一輪
かじかんだ手を擦り合わせ
瞼の裏にうつる笑顔に
不器用に泣いて
まだ素直に笑えないまま
君の言葉を思い出してみても
春の日々を思い描いても
笑えないままでいるのに
君はいつも優しい笑顔で

いつかまた手を繋いで
不器用に笑いあって
いっしょに咲こう




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