もしこの恋が一編の小説であるなら
実に退屈な読書になるだろう
進展も 後退も
接触も 接近もない
あるただ退屈な恋心一つと
少しだけ笑える葛藤だけ
主人公はただただ苦しく
ヒロインはただただ愛らしい

読者は二分で気がつくだろう
この小説には始まりがなく
そして幾年も続くことを
窮屈な文体に縛られて
定型詩のように綴られる物語

そんな残酷な小説に
名を与えれば輪郭を得て
それは物語の終わりを形創る
始まらない物語の終焉
滑稽にして奇怪
愚かにして笑えるほど理性的
その時には少し笑える小説になるか




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